「家族だから」

家族というカテゴリーの中にいる人物を別の言葉で表すとしたら、どのくらい種類があるだろう。
血縁者、かけがえのない人、人生を共に歩む人。

わたしの場合は「最も身近な他人」だ。

我ながら冷たいな、と思う。
でも、事実だなとも思う。
他人というと、なんとなく遠ざけるような言い方に聞こえてしまうけれど、自分以外の人すべてを指す言葉なので間違いではない。

すぐ近くに違う個性があって、世界があるのだ。
血なんて関係無い。
以心伝心できるわけでもない。
わたしが死んでも家族は死なないし、逆もまた然り。

それでもなんとなく特別な「他人」。

家族という言葉は、けして切れない絆のようなものを連想させるけれど。
それを足枷にはしたくない。